国際観光都市、京都のホテル事情に異変が起きている。手薄だった超富裕層向けを中心に建設ラッシュは続くが、低~中価格帯はすでに過当競争から単価が下落。急増する訪日客らによる「観光公害」が問題化したこともあり、ホテル誘致を進めてきた京都市も建設抑制へと方針転換した。
先月1日、金閣寺のほど近くに外資系の「アマン京都」(北区)がオープンした。自然あふれる約2万4千平方メートルの広大な敷地に、客室はたった26室だけ。1棟貸しの「パビリオン」(2棟)は季節によって1泊100万円以上する超高級リゾートホテルだ。
アマンは世界20カ国・地域以上にあり、国内では東京、三重・伊勢志摩に続く3カ所目。塩田明・総支配人は「歴史や文化が深く根付く京都への進出は必然。日常を離れて心や体を解き放ち、大切な時間を過ごして欲しい」。
10月には米ホテル大手が「パークハイアット京都」(東山区)を清水寺近くの老舗料亭の敷地内に開業。最上級ブランドの開業は国内では東京に次ぐ2軒目で、1室11万円前後から。
いずれも訪日客などの超富裕層がターゲットだ。こうした「ラグジュアリーホテル」は国内に少なく、増やす余地があるとされる。
国内勢でも、近鉄・都ホテルズが「ウェスティン都ホテル京都」(東山区)を順次、改装中だ。部屋数を半減させて平均面積を4割広げる代わりに、料金を約2倍にする。三井不動産も二条城前で最上級ブランド「ホテル ザ 三井 京都」(中京区)を来夏開業するほか、帝国ホテルも花街・祇園(東山区)にホテル建設を計画する。
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