【ベルリン時事】ドイツで、極右のテロが続発している。
移民系の市民やユダヤ人、政治家が標的となった事件が、昨年6月以降で3件も発生。近年はイスラム過激派のテロに悩まされていたところに別方向からの脅威が加わった形で、社会の動揺は大きい。
19日にフランクフルト近郊ハーナウで起きた銃撃事件では、トルコ系住民ら9人が死亡。犯行後に母親も殺害し自殺した43歳の男は自身のホームページに、イスラム系諸国やイスラエルの民族を「絶滅させるべきだ」などの投稿を多数残していた。
昨年10月には、東部ハレでのシナゴーグ(ユダヤ教礼拝所)襲撃事件で、通行人ら2人が死亡。同年6月には、難民受け入れに関わっていた中部カッセルの政治家が極右の男に射殺された。
2014年から18年の5年間は、死者が出た極右の犯罪は16年のミュンヘンでの乱射事件1件のみ。それがここ約8カ月で3件のテロというペースに「差別はわれわれの社会に巣くう毒だ」(メルケル首相)など、政治家からは危機感を訴える発言が相次いだ。
ただ、16年にベルリンのクリスマス市で起きたイスラム過激派のテロなどで、イスラム教徒への反感は根強い。独イスラム教徒調整協議会はハーナウでの事件を受け、独の政治は「反イスラムに沈黙している」など、一般イスラム教徒への保護が十分でないと訴えた。
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