Pages

Wednesday, July 22, 2020

2種の絶滅危惧種をかけ合わせたところ、はからずもハイブリット魚が誕生してしまったようだ(ハンガリー) - ニコニコニュース

絶滅危惧種同士のハイブリッド魚

絶滅危惧種ハイブリッド魚が偶然誕生 image by:Florian Toth, NARIC,

 1億8400万年を超える時間をまったく別の大陸でそれぞれに進化してきた魚同士が子供を作るなんて無理に決まってる。ハンガリーの科学者はそう思っていた。

 そう思っていながらも、アメリカに生息するヘラチョウザメの精子をロシアに生息するロシアチョウザメの卵にふりかけてみた。どちらも絶滅危惧種である。

 あえてそんなことをした狙いは、「雌性発生」というプロセスを通じて、チョウザメの卵を無性生殖させることだった。

 雌性発生では、オスの遺伝情報がないままに子供が生まれてくるが(つまりメスのクローン)、それを開始させるためにはオスの精子からの刺激が必要なのだ。

 が、幸か不幸か、狙い通りにはいかなかった。オスのDNAが卵に取り込まれて、はからずもハイブリッド種が誕生してしまったからだ。

―あわせて読みたい―

ヒトとチンパンジーのハイブリッド「ヒューマンジー」を作る技術はすでにある(米研究者)
悪名高き2種の害虫がハイブリッド化。メガ害虫となり力を強めていることが判明(オーストラリア研究)※昆虫出演中
ハイブリッド?鳥のような頭部をもった謎の魚が発見される
人間と動物の遺伝子を組み合わせた10のキメラ実験
お母さんはシマウマ、お父さんはロバ。自然交配でハイブリッドアニマル「ゾンキー」が誕生(ケニア)

父と母の特徴をあわせ持つ不思議な姿

 こうして生まれたハイブリッド種は「スタードルフィッシュ(sturddlefish)」と名付けられた。スタードルとは、ロシアチョウザメの英名「スタージョン」とヘラチョウザメの英名「パドルフィッシュ」を組み合わせた名だ。

 「ロシアチョウザメ」(学名 Acipenser gueldenstaedtii)」と「ヘラチョウザメ」(学名 Polyodon spathula)は、かなり見た目が異なる種なのだが、その子供は両者の特徴をあわせ持つ。

1_e8


 ヒレと口先は典型的なロシアチョウザメのそれだが、口と食性はヘラチョウザメのそれ。残りの部分はどちらかというとロシアチョウザメ寄りだ。

 ロシアチョウザメは東ヨーロッパシベリア、中東の海や河川などに分布。一方、長いヘラのような口先で泥の中にいるエサを食べて生きているヘラチョウザメは、北アメリカ大陸ミシシッピー川水域に生息しており、両者の生息域は異なる。

 だからスタードルフィッシュは、人間の介入がなければ決してこの世に誕生してこなかっただろう不思議な存在だ。

2_e

上から[a]がロシアチョウザメ、[b]と[c]がスタードルフィッシュ、[d]がヘラチョウザメ。[b]はロシアチョウザメの特徴が強く出ており、[c]はヘラチョウザメの特徴が強く出ている

恐竜の時代に共通祖先がいる生きている化石


 かなり見た目が異なる父と母だが、じつは違いと同じくらい似ている部分もある。どちらも恐竜の時代に共通祖先から分岐しており、しかも当時からあまり姿形が変わっておらず”生きている化石”と呼ばれているのだ。

 恐竜の時代から現代までと言うと、とんでもなく長い時間を過ごしてきたように思えるが、こうした魚にとってはそれほどでもない。研究論文では次のように論じられている。

こうした現象が、チョウザメのゲノムにより高い類似性・適合性・柔軟性を与えるにいたらせ、地理的・生理学的・形態学的に大きな隔たりがありながらも、ロシアチョウザメとヘラチョウザメの混血を可能にした

ハイブリッド魚
image by:Florian Toth, NARIC, Research Institute for Fisheries and Aquaculture

ハイブリッド魚「スタードルフィッシュ」は今も生きている

 おそらくスタードルフィッシュが子供を産むことはないだろうが、彼らは今も生きている。その生存率はヘラチョウザメと同じくらいであるそうだ。

 チョウザメの仲間は今、絶滅の危機に瀕している。ちょうど今年、中国長江の固有種であるシナヘラチョウザメの絶滅が確認されたばかりだ。

 研究グループにこれ以上スタードルフィッシュを作る予定はないそうだが、絶滅の危機に瀕した彼らを救うために、今後もチョウザメの生殖について研究を進めるとのことだ。

この研究は『Genes』(7月6日付)に掲載された。

Hybridization of Russian Sturgeon (Acipenser gueldenstaedtii, Brandt and Ratzeberg, 1833) and American Paddlefish (Polyodon spathula, Walbaum 1792) and Evaluation of Their Progeny
https://www.mdpi.com/2073-4425/11/7/753/htm
References:iflscience / mentalfloss/ written by hiroching / edited by parumo 全文をカラパイアで読む:
http://karapaia.com/archives/52292994.html
 

こちらもオススメ!

―水中生物についての記事―

キスしたくなるほどふっくらセクシーな唇を持つ魚にTwitterざわざわ
深海のベンタブラック、光を99.5%以上吸収してしまう暗黒ステルスを身につけた魚たち
水中に響き渡る潜水艦のソナー音(※音声注意)
食べ物をください。空腹のオットセイ、ロックダウン中のレストランのドアを叩く(南アフリカ)
ジンベイザメの目は大量の歯に似たウロコで覆われていた(日本研究)

―知るの紹介記事―

宇宙で人間の軟骨を組み立てることに成功(ロシア研究)
幽霊の軍隊?第二次世界大戦中に暗躍した米軍の特殊部隊「ゴースト・アーミー」の欺瞞作戦
コロナ感染で入院し隔離された母親が亡くなる日まで、病院の壁を上り窓の外から見守り続けた息子(パレスチナ)
ヒゲメンと猫に新たなる伝説が。寒さに震えていた野良の子猫、ヒゲメンの肩を安住の地に設定(アメリカ)
アフリカ大陸の亀裂が進行。大陸は2つに切り裂かれ海が誕生する(エチオピア)
2種の絶滅危惧種をかけ合わせたところ、はからずもハイブリット魚が誕生してしまったようだ(ハンガリー)

Let's block ads! (Why?)



"絶滅させる" - Google ニュース
July 23, 2020 at 07:06AM
https://ift.tt/32IG6la

2種の絶滅危惧種をかけ合わせたところ、はからずもハイブリット魚が誕生してしまったようだ(ハンガリー) - ニコニコニュース
"絶滅させる" - Google ニュース
https://ift.tt/2uzGKCq
Shoes Man Tutorial
Pos News Update
Meme Update
Korean Entertainment News
Japan News Update

No comments:

Post a Comment