自宅のNintendo Switchでアーケードを再現。
昨今いろいろ出ているアーケードコントローラーですが、米Gizmodoの懐ゲーマー、Andrew Liszewski記者が8BitDoのArcade Stickをレビューしています。海外版ファミコン・NESを思わせる配色でレトロ感が深まりますが、使い心地はどうなんでしょうか?
コインを延々と入れ続けなきゃいけないアーケードゲームは、今までだんだんと消えていきました。それでもアーケードマシンが懐かしくなってしまう理由のひとつは、家庭用ゲーム機のコントローラーでは味わえないボタンとジョイスティックの手応えです。でも8BitDoのArcade Stickは、あのアーケード感覚を現代に蘇らせてくれて、プロゲーマーでなくても楽しめます。
8BitDoはレトロなものも最新のものも含め、コントローラーやゲームパッドに特化した実力あるメーカーです。その品質はソニーや任天堂といった大手にも比肩し(ドリフトもしないし)、むしろ機能性は高いことすらあり、それでいて価格は彼らより安いのがつねなんです。
8BitDo Arcade Stick
これは何?:レトロゲーミングファンのための、カスタマイズできるアーケードコントローラー。無線でも有線でも使えて、とくに格闘ゲームに向いてます。
価格:90ドル(約9,300円)
好きなところ:ジョイスティックもアクションボタンも素晴らしい感触、戦車のように頑丈な作り、8BitDoのUltimate Softwareでボタンのマッピング変更/カスタマイズが可能。
好きじゃないところ:ジョイスティックはデジタルオンリーで、今どきの新しいゲームではほとんど役に立たないこと。
ずっしり、カチャカチャという感触
8BitDo Arcade Stickは、同社が数年前に出した80ドル(約8,200円)のN30 Arcade Stickの後継機です。お値段90ドル(約9,300円)と、8BitDoが今出しているコントローラーでは一番高価です。この価格で食指が動くのは多分プロゲーマーとか格ゲーファンが中心でしょうけど、カジュアルなレトロゲーマーでもきっと気に入るところがあるはずです。まるで戦車みたいに頑丈にできてますので。
Arcade Stickに触れてまず気づくのは、がっしり、ずっしりしてる(サイズに対してすごく重い)ことです。重量は4.6ポンド(約2.1kg)あります。ひざに載せても使えますが、机とかテーブルに置けば、その重量としっかりした4つのゴム足で、ゲームにのめり込んでもひっくり返らないようになってます。
次に感じるのは、ジョイスティックを動かすときのしっかりした手応えです。方向を変えるごとに柔らかなクリック感があり、今どきのコントローラーに付いてるジョイスティックほどぐりぐり大きくは動かないものの、4方向の十字キーより満足感があります。
ボタンのほうも同様に、押すたびにカチャっという音が響きます。僕がArcade Stickを手に入れたとき、最初はNintendo Switchにつなげなくても、ボタンやジョイスティックをカチャカチャ動かすだけで数時間は楽しめました。一緒にTVを見てた人たちはうんざりしてましたね。
対応デバイスモードを切り替え
過去の8BitDo製品への不満は、いろんなデバイスとシンク/設定するために特定のボタンの組み合わせで押さなきゃいけなかったりして、やることが複雑すぎることでした(たとえばNintendo Switchで使うにはこのボタンとこのボタン、Androidではこれとこれを押す、といった具合に)。Arcade Stickではその設定がもっと簡単に、ダイヤルで切り替えられるようになりました。
一番左のダイヤルはNintendo Switchモードか、PC・Xboxモードかの切り替えができ、その隣のダイヤルはジョイスティックの左右、または方向キーへの切り替えを担います。ただこのへんもうちょっと、ダイヤルの周りの文字でもきちんとわかるように表示してくれてたらよかったと思います。
S(Switch)とX(PC・Xbox)を切り替えると、アクションボタン横の光るラベルが自動で切り替わり、ボタンレイアウトの変化が少しわかりやすくなります。
デバイスとの接続方法は3つ
Arcade Stickとデバイスの接続方法は3つあります。Bluetoothが一番互換性が高いんですが、ラグが大きいのでゲームによっては不利になるかもしれません。
ワイヤレスのままラグを減らす方法としては、Arcade Stick本体背面のコンパートメントに2.4GHz Wi-FiのUSBドングルが入っていて、これはNintendo SwitchとかPC、またはUSBポートのあるほとんどのデバイスで使えます。
3つめの方法は、USB-Cケーブルで有線接続してしまうことです。USB-CポートはArcade Stickの充電にも使われ、1回のフル充電でBluetoothだと30時間、2.4GHzだと40時間使えることになってます。
カスタマイズ性を高めるソフトウェア
8BitDoのゲームパッドやコントローラーが他社のものと一線を画していて、僕が人に勧めている理由は、彼らが開発したUltimate Softwareです。このソフトウェアは2019年、SN30 Pro+用に最初に公開され、その後2020年のSN30 Pro for Xboxにも対応、そしてこのArcade Stickにも対応しているわけです。Ultimate SoftwareはPC用アプリで、8BitDoの対応するコントローラーのカスタマイズを可能にし、ボタンの機能マッピング変更やマクロ作成、アナログジョイスティックの感度調整などができるようになります。
ただしArcade Stickに関しては、Ultimate Softwareでのカスタマイズは限定的で、できることは赤いアクションボタンの機能マッピング変更、P1ボタン・P2ボタンへのカスタムコンボのプログラムくらいです(そう、これを使うとコナミコマンドを1タップでできたりします)。ボタンの機能を変えることで、たとえばNintendo SwitchとPC・Xboxを切り替えるモードダイヤルの機能を、特殊なボタンレイアウトの切り替え用に使うこともできます。
みんな買うべき?
で、8BitDo Arcade Stickは多くのゲーマーが90ドル(約9,300円)投じる価値があるんでしょうか? 答えはノーです。ほとんどの人は、50ドル(約5,100円)のSN30 Pro+のほうが、機能やカスタマイズ性は同じだし、ジョイスティックはアナログで、振動フィードバックとかモーションコントロールも手に入ります。
Arcade Stickの機能はそれに比べるとすごくベーシックなんですが、とにかくアーケード風使用感が欲しいって人をターゲットにしています。アナログジョイスティックじゃないので、16bit時代以降のゲームに対しては基本的に役に立ちません。
とはいえ、8BitDoはたとえば『Teenage Mutant Ninja Turtles: Turtles in Time』みたいな、次々敵を倒していくようなアクションゲーム(訳注:いわゆる『ファイナルファイト』のようなベルトスクロールアクション)には最適で、コンパクトなゲームパッドより満足度が高いです。
個人的には、アーケードコントローラー向きの格闘ゲームはそんなに好きじゃないんです。それでもArcade Stickを箱から出したほぼその瞬間、今もこういうハードウェアでプレイしたい人がたくさんいる理由がわかりました。そしてアーケードゲーム体験が、今もこうして息づいている理由も。
まとめ
・自宅をソーダまみれのアーケードゲーム機で埋めることなくアーケード感覚を楽しむためには、Arcade Stickを使うのが一番近い方法です。
・Bluetoothまたは付属の2.4GHz USBドングルでのワイヤレス接続が可能で、後者だとラグが少なくなります。
・充電式バッテリーは接続方法によって30〜40時間使えることになってます。
・ジョイスティックはデジタルオンリーで、アナログコントロールが必要なゲームではほとんど使えません。
・8BitDoのUltimate Softwareに対応していて、ボタンのマッピング変更、カスタムマクロの割り当てが可能です。
・90ドル(約9,300円)する時点で全ゲーマー向けとはいえず、ほとんどの人には50ドル(約5,100円)の8BitDo SN30 Pro+のほうがむしろベターです。
からの記事と詳細 ( レトロな外見に、レトロな音と手応え:8BitDo アーケードスティック - ギズモード・ジャパン )
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