(CNN) 絶滅した生物の復活といえば、これまでSFの世界の出来事だった。映画「ジュラシック・パーク」の恐竜を復活させるという物語はその典型だった。
しかし遺伝学の進歩によって、失われた動物の復活は現実の出来事になりつつある。絶滅危惧種のクローン作製や、とうに絶滅した動物の骨や死骸から採取したDNAの配列決定を成功させた研究もある。
ハーバード大学医学校のジョージ・チャーチ教授率いる遺伝学研究チームは13日、4000年前に絶滅したマンモスの復活を目指すプロジェクトが1500万ドル(約16億5000万円)の投資を確保したと発表した。氷河期時代の巨大なマンモスをよみがえらせ、自然環境で生息させる未来を描いている。
マンモスを復活させれば、北極圏のツンドラ地帯の生態系を回復させ、気候危機とたたかい、マンモスに近い絶滅危惧種のアジアゾウを保護する助けになると関係者は期待する。ただしこの計画は倫理的問題もはらんでいる。
研究チームの目標は、マンモスのクローン作製ではない。永久凍土の中で凍結されていたマンモスのDNAを抽出することには成功したが、このDNAは断片化や劣化が激しくクローン作製は不可能だった。そこで遺伝子を操作して、外見はマンモスと区別がつかないゾウとマンモスの雑種を作り出すことを目指している。
同プロジェクトを支援する生物科学・遺伝子会社コロッサルをチャーチ氏と共同で設立した起業家のベン・ラム氏は、「4~6年以内に最初の赤ちゃんを誕生させることを目指す」とした。
チャーチ氏は「2021年まで、これは一種の棚上げされたプロジェクトだった。だが今、それが実現可能になった」と指摘する。
チャーチ氏は最先端の遺伝学者で、人間への移植に適した臓器をもつブタ作製の実績などで知られる。
人間に臓器を移植できるブタを作製するためには42の遺伝子改変を必要としたと同氏は説明。「ゾウの場合、目標は違っても改変の数はそれほど変わらない」と話す。
チャーチ氏によると、研究チームはこれまでに23種のゾウと絶滅したマンモスの遺伝子を解析した。アジアゾウが北極圏で生存・繁殖できる特徴を獲得させるためには、アジアゾウの遺伝情報に「50あまりの改変」を同時にプログラミングする必要があると推定している。
そうした特徴には、10センチの断熱脂肪層、最大で長さが1メートルある5種類の体毛、寒さに耐えられる小さな耳などが含まれる。象牙目当ての密猟者に狙われないよう、牙が生えないようにする遺伝子操作も試みる。
からの記事と詳細 ( マンモス復活プロジェクトが始動、ゾウを遺伝子操作 16億円の資金獲得 - CNN.co.jp )
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