約半世紀前にライチョウが絶滅したとされる中央アルプスで今夏、動物園生まれのヒナなどを野生復帰させる試みが始まる。苦い「失敗」も繰り返してきた復活大作戦。きっかけは、他の山から中央アルプスに偶然やってきた1羽の雌を登山客が目撃したことだった。
氷河期の生き残り 手厚い保護事業
氷河期にユーラシア大陸から日本列島に移りすみ、「氷河期の生き残り」とも呼ばれる国の特別天然記念物ライチョウ。日本では本州中部の高山帯だけで生息し、1980年代は約3000羽いたとされるが、2000年代前半に1700羽程度(推定)にまで減少した。環境省のレッドリストで現在、近い将来野生での絶滅の危険性が高い「絶滅危惧ⅠB類」に分類され、北アルプスや南アルプスを中心に保護事業が行われてきた。
保護事業ではふ化後間もない時期、夜間だけヒナと母親を生息地に作った小屋に収容し、昼間は人間が見守りながら放し飼いにする。テンなどの天敵や悪天候からヒナを守り、順調に育つようにするのが狙いだ。天敵の捕獲などにも取り組む。
そもそもライチョウはなぜ減少したのか。捕食者の増加や温暖化などによる環境変化が原因と指摘されるが、「この問題を取り除けば解決する」という主因の特定が難しい。捕食者をどれだけ減らせばいいかなどの科学的根拠が不十分なまま手探りで対策を進めているのが現状だ。
白山での「反省」教訓
一方、中央アルプスでは69年以降目撃情報がなく、長年地域絶滅したと考えられていた。ところが18年、関係者を驚かせる出来事が起きた。…
からの記事と詳細 ( 始まりは1羽の雌だった 中央アルプスで「絶滅」のライチョウ復活作戦 - 毎日新聞 - 毎日新聞 )
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