広島市は全国でも有数の「バナナを食べるまち」だ。近年のバナナの購入量は都道府県庁所在地の中で上位をキープし、2020年をはじめ何度も1位に。なぜなのか調べると、どうやら08年に起こった「ある出来事」が人気のきっかけらしいことが分かってきた。【矢追健介】
総務省統計局の家計調査結果を基に、都道府県庁所在地の世帯(2人以上)ごとの1年間のバナナ購入量を比べた(国調査は1999年まで農林漁業世帯を除いている)。90年から2008年までの間、広島市の購入量は全国平均より低いことも多く、07年は約16・6キロだった。しかし08年に約21・9キロ、09年に約26・4キロへと急上昇し、上位5都市の平均値と同水準に。09年に6位となって上位に入り、14年には初の1位となった。以降は5位以上をキープしている。
08年に何が起こったのか。JA広島果実連広島支所の河村博文所長(47)は「バナナダイエットブームがあった年ですね」と即答した。08年9月のテレビ番組が火付け役となり、全国的に品薄に。日本バナナ輸入組合(東京都)によると、それまで100万トン前後だった日本への年間輸入量は09年に過去最多の約125万トンになった。
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