南島原市の活性化を目指して栽培に取り組む思いとは
- 2023年12月06日
南島原市でバナナ栽培
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ちょっと短くて丸みを帯びたバナナ。南島原市の山あいに立つハウスで育てられています。
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育てているのは溝田敏行さん(35)。南島原市の助成を受けてバナナを栽培する2軒目の農家です。去年6月から栽培を始め、今は4つのハウスで220本もの苗を育てています。
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これがバナナの花です。苞(ほう)の中に詰まっている1つ1つがバナナになるんです。
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角がとれて丸っこくなってきたら収穫の目安です。溝田さんが育てるバナナは「ねっとり」としていて「甘い」のが特徴です。
知識もノウハウもないところから
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実は溝田さんの本来の仕事は農業ではありません。祖父の代から建設業を営んできました。農業は初挑戦で、研修に参加したり本を読んだりして勉強しました。
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自分たちは知識もないノウハウもないところからのスタートだったので、本を読んだり岡山の農場に教えてもらったりして、いちから学びました。
挑戦のきっかけは南島原市の募集
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バナナ栽培の話に興味がある程度だった溝田さん。挑戦のきっかけになったのは地元・南島原市がバナナの栽培者を募集していたことでした。市の活性化にもつながると思い応募しました。
人口減少が深刻な課題となっている南島原市。現在の人口はおよそ4万人で、この5年で1割近く減少しています。
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南島原市で育った溝田さんもさみしくなる地元をなんとかしたいと考えてきました。
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昔に比べて子どもの声も聞こえないですね。少なくなったなあという実感はものすごく感じますね。
こだわりのバナナ作りを決意
自然豊かなところや人の温かさを伝えるためにも地元に興味を持ってもらいたい。そこで地元のよさをいかしPRにつながるバナナ作りをしようと決意しました。
こだわり①「雲仙・普賢岳からの湧水を使用」
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まず、地元の雲仙・普賢岳からの湧き水に注目しました。
浸透水が自然と湧き出す湧水公園「有馬湧水 ホタルの里」の水だけを使って栽培しています。
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湧水公園まではハウスから車で10分ほど。汲んできた湧き水をいつでも使えるように建設業の知識をいかして装置をつくりました。
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ミネラルも豊富だということで湧水を使いたかったというのがひとつのこだわりで、誰にも負けないアピールポイントです。
こだわり②「無農薬栽培」
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さらに、無農薬栽培にもこだわっています。近所でほかの農家が農薬を散布する時にも最新の注意を払っているといいます。
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周りにも目を配りながら農薬が散布される時は急いでハウスを閉めに行っています。
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バナナの苗にも秘密があります。バナナの種子の細胞を凍らせる「凍結解凍覚醒法」という技術が使われています。この技術で日本の寒い環境でも栽培が可能になりました。苗は先進地の岡山県の農場からり寄せて栽培しています。
いざ販売へ!客の反応は
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つくったバナナに周りはどう反応するのか。長与町のイベントに参加し販売してみました。家族と協力しバナナの着ぐるみでアピールします。
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国産無農薬バナナ試食できます!
皮ごと食べられてとっても甘いです
いかがでしょうか。
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バナナを皮ごと試食したお客さんの反応は上々。子どもたちも喜んでいました。
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女性
皮にえぐみとか全然無くて、すっきり食べられる感じがします。体にいいのかなと思いました。
バナナが有名になって、町の活性化にもつなげたいと考えている溝田さん。一方で会場での南島原市の知名度はいまひとつでした。
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長与町に住んでいますが、南島原は知らないですね。
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女子高校生たちは、「南島原の名前は知っているが、行ったことがない」と答えていました。
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やっぱり知名度が低いですね。今度バナナを使って市の特産物にしていって、南島原市とともに盛り上げていければいいかなと思っています。
バナナが町の活性化につながるのか、溝田さんは思いが実る日を夢見ながらバナナと向き合っています。
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バナナは湧き水が湧く公園の名前から「ホタルバナナ」と名付けられています。溝田さんは、今後、ふるさと納税の返礼品にして全国の人に南島原をアピールしていきたいという計画も進めています。また、アレンジレシピやバナナの「葉」を使った商品開発にも取り組んでいるということです。
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