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Sunday, June 7, 2020

【朝鮮日報コラム】言葉を奪われた時代 - 朝鮮日報

 礼儀とは何か。あらためて考えさせる今日このごろだ。5月30日に第21代国会議員になった尹美香(ユン・ミヒャン)元・正義記憶連帯(正義連)理事長関連の問題で注目すべき事件は、「礼儀」という言葉の意味の変質だと思う。韓国の与党「共に民主党」の宋永吉(ソン・ヨンギル)議員は、尹・元理事長が慰安婦被害者の憩いの場(別荘)の管理を自分の父親に任せ、数年にわたりたかだか7580万ウォン(現在のレートで約666万円)渡したことの何が問題なのかと擁護しつつ、「礼儀」に言及した。宋議員は「困難な時期に慰安婦問題を取り上げて闘ってきた市民運動家の人生に対する最小限の礼儀があるべき」と発言した。禹希宗(ウ・ヒジュン)元「共に市民党」代表は、尹・元理事長を批判するシム・サンジョン正義党代表に向けて「基本的な礼儀」を守れと一喝した。尹・元理事長に対する疑惑の提起は「無礼」だというのだ。

 「尹美香疑惑」を最初に提起した慰安婦被害者の李容洙(イ・ヨンス)ハルモニ(おばあさん)は、突如として礼儀知らずな人間になってしまった。尹・元理事長に対する礼儀を守らせたい「御用臣民」らは、92歳のハルモニに向かって、到底口にできない悪口や非難を浴びせかけている。「30年間だまされるだけだまされ、利用されるだけ利用された」と絶叫するハルモニを気の毒に思うことは礼儀ではなく、国会議員の権力を握ったかつての市民団体代表に「疑惑を明らかにせよ」と要求したら無礼なことだという。

 ささいなことだと考えるべきものではない。言葉を変えたら思想も変わる。世の中が堕落する前兆は、言葉の変質から予想できる。言葉の意味を変質させ、組分けを行い、味方の力を集めるというやり方は、ドイツのナチスが使った手法でもあった。ナチス親衛隊を指揮していたハインリッヒ・ヒムラー(1900-45)は43年10月、ポーランドで行った演説で「人間として品位を維持することは、われわれを強くする。ナチス親衛隊は正直で、品位があり、誠実で、同志愛を持つべきだ」と語った。ところがこのとき、品位という言葉の意味は異なっていた。ヒムラーは、ユダヤ人が品位を汚染しているのだから、ユダヤ人を絶滅させることは品位ある行動だと主張した。ヒムラーは「(品位は)われわれと同じ血を持つ同志にのみ該当し、ほかの人間には該当しない」と宣言した。

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