日本でも最も多く食べられている果物は「バナナ」です。朝バナナやバナナダイエットなど、健康にいい果物として人気ですね。昔はミカンが果物の王様だったのですが消費量が減って、今はバナナが1番となりました。
以前バナナは「夏場」になると「食べられなくなる」ため、夏には価格が下がる傾向にありました。今年はコロナウイルスの影響もあり、高値が続きそうです。
安いはずがそんなバナナ!!
この記事は1990年5月と、ずいぶん昔の記事ですが、実はこの記事は私が書いた記事です。フィリピンや台湾からの輸入量が少ない上にバナナ人気で消費が増えて、大幅に値上がりしました。安くなるはずの「夏場」に値上がりした、という内容です。入社して1カ月ほどたったころ、書きました。ダジャレのような攻めた見出しですから、今も印象に残っています。
「夏なのにバナナが高い」というのが、こんなニュースになるほど夏場は売れませんでした。今ではいまでは健康食としてのイメージが強くなり、1年を通して安定的に売れるようになっています。人気を反映し値段もじわじわと上がっています。
値上がりには3つの要因
基本的に値上がりには3つの要因がありました。
1つめは「異常気象」。日本が輸入する8割~9割はフィリピン産。ほぼ100%ミンダナオ島で作られています。元々は台風も通らない温暖な島として栽培が開始されましたが、ここ数年の世界的な天候不順、予想だにしない台風、干ばつなどの影響が大きくなって生産にダメージを与えています。
2つめはフィリピンの経済発展で、人件費が高騰していること。
3つめは中国の需要が増え、高値で仕入れています。日本との奪い合いになっています。
さらに今シーズンはコロナの影響も見逃せません。新型コロナウイルスの感染防止のため、主産地フィリピンで人々の移動制限が広がりました。出荷作業が大幅に滞っており、日本に輸入されるバナナが減少するとの声が出ています。
追熟、色付けされて出荷
実はバナナの値段にはもうひとつユニークな要素があります。バナナは黄色く熟した状態で収穫され、そのまま店頭に並ぶとイメージされている方も多いようです。でも、フィリピンなどの原産地から運ばれてきて日本に陸揚げされるのは、硬く未成熟な「青バナナ」だけ。黄色く熟成した果実はやわらかくなり傷みやすく、さらに害虫がつきやすくもなるので、基本的に黄色いバナナの輸入は日本では禁じられているのです。
原産地で収穫された青いバナナは高性能冷蔵船に積まれ、数日間の輸送ののち、日本に到着して検査を受けたら、「室(むろ)」と呼ばれる温度管理された部屋で色付けされます。色付けといっても着色料を使うのではなく、野菜や果物が成長する過程で出す植物ホルモンの一種「エチレンガス」で追熟させて黄色くさせるのです。その後、数日間の熟成期間を経てようやく各地のお店に出荷されるのです。バナナは、とても手間のかかる果物といえますね。
値段の方程式は
今日の値段の方程式はこうなります。
唐突に「産地の標高」というワードが出てきました。天候や人件費や、中国との需要増……も値段に非常に大きく影響しています。でも一番値段に影響するのは産地の標高なんです。同じバナナでも1房100円のバナナと1房300円のバナナがあるのは栽培される場所の標高の差です。
標高の高い高地で栽培されたバナナは値段が高く、標高の低い低地で栽培されたバナナは安い。販売されている値段の高いバナナのパッケージを見ると「高地栽培」のシールが目につきます。
実はこのバナナは標高500m以上の高地で栽培されています。なぜ標高の高い場所で栽培しているのでしょう。高地栽培されたバナナの方が甘いからです。バナナの実は日中光合成をすることで葉に糖分を蓄えています。夜になるとこの糖分が実に運ばれて甘さを増していきます。これを毎日繰り返すことでバナナはどんどん甘くなっていく。つまり、収穫までの期間が長ければ長い程甘くなっていくというわけです。
バナナは本来、暖かい場所で育ちます。低地で栽培されたバナナは、収穫までの期間が10カ月。高地は気温が低いため、成長が遅くなり収穫までにおよそ13カ月かかります。その結果、3カ月分糖分を多く蓄えられるため、より甘くなります。
標高1000メートルのバナナは、13~14カ月かけて栽培され、糖度は平均的に25度。メロンの1.5倍の甘さです。ただ個体差があってメーカーは糖度保証、糖度の記載はしていません。気になる値段(メーカー希望小売価格)はなんと1房3本で2000円。1本あたり700円です。
バナナ、1日何本までOK?
甘いバナナならば、糖分も気になりますね。バナナは1日、何本くらいまで食べて大丈夫なのでしょうか?
農水省は「毎日くだもの200グラム運動」を推進しています。健康のために果実を1日200グラム食べましょう、という運動です。バナナは1本100グラムなので2本食べてもOKということになります。ただ、バナナはほかの果実に比べて糖質も多いので肥満を気にする人は1本程度がいいのでは、と思います。果物は豊富なビタミン類や食物繊維のほか、抗酸化作用があると指摘されています。バナナも適量に食べて体調管理につなげたいものです。
(BSテレ東日経モーニングプラスFTコメンテーター 村野孝直)
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June 20, 2020 at 01:00AM
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果物人気No.1、バナナの値段を決めるあの数字|MONO - 日本経済新聞
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