運命の11月、世界を征するのはどっち?
ひと足先に検索データとオンラインの市場シェアをもとに英国の検索エージェンシーのRise at Sevenがこんな勢力図を発表しました。
ご覧のように世界ゲーム市場の84%はPSが占め、161か国中148か国で優勢です。対するXBoxは13か国で、中国以外は小国ばかり(シェア90%超のアフガニスタン、77%のガボンと米領サモアなど)。初代Play Station登場から26年、優位は揺るぎないものに見えます。
日中米のシェアは下記のとおりです。
中国:XBox 54.97% / PS 45.03% ※大国で唯一のXBox派
米国:XBox 43.02% / PS 56.98%
日本:XBox 1.05% / PS 98.94%
もっとも差がついているのは日本ですけど、まあ、初代XBoxは日本の家には大きすぎたし、2代目360は死の赤リング(RRoD:Red Ring of Death)がありましたし…。あの問題でMicrosoftは1年の製品保証を3年に延長し、3年以内に赤リングが出たら無償で修理・交換に応じる手厚いサポートで乗り切りましたが、コンソールの23.7%にRRoDが発現し、修理交換費が11億5000万ドル(約1200億円)という天文学的数字になっていたことが後日、XBox 360発売時のトップのピーター・ムーア氏が明らかにしています。
氏とスティーブ・バルマーCEO(当時)との間にはこんなやりとりがあったみたいですよ?
11億⑤000万ドル(約1200億円)のうち240万ドル(約251億円)はFedExの送料だった。今も忘れられない。見積りはともかく、問題はスティーブ・バルマーCEO(当時)にどう報告するかだ。椅子でガタガタ震えていたよ。
「状況をわかるように説明しろ」
「今から言うことをやらないとXBoxブランドは死亡フラグです」
「何をやればいいんだ」
「全品回収で修理、ですね。修理には3週間かかるので配送はすべてFedExオーバーナイトで」
「いくらかかるんだ」
「(深呼吸して同僚を一瞥してから)11億5000万ドルです」
「よしやれ」
なんのためらいもなくGOサインが出た。恐れていたマイクロソフト株暴落もなかった。
ひゃあ…なかなかできるこっちゃないわ…。日本どころじゃなく大変だったのだと想像。その後も日本のタイトルが少ないままですし、あまりにも売れないので、米NBCが「ぜXBoxは日本で売れないのか」という特集を組んでいるほどです。
ここでも紹介されていますが、XBoxはもともと、ソニーがPS2(ネットにつないでメールやWeb閲覧ができる)でPCに取って変わるのではないか」と恐れたマイクロソフトが立ち上げたものです。つまりゲーム積極参入というより、本家本丸のPCを守るための外堀固めという位置づけのものでした。「一番いいのはソニーのコンソールにMSソフトを入れてもらうこと」。そう考えたビル・ゲイツは日本に飛んで提携を持ちかけたんですが、ソニーからの返事はNO。しょうがないので「じゃあ自分でつくりますわ」としょんぼり帰ってきてつくったのがXBoxというわけです。
まあ、ソニーは「一緒にMac搭載Vaio作ろうよ」って持ち掛けたスティーブ・ジョブズも断ってますし、ある意味すごいというか何というか…。「携帯楽曲プレーヤー一緒に作ろうよ♡」とジョブズが持ちかけたのも「CDが売れなくなる」というシーラカンスのような理由で断って、ほんでジョブズがiPodつくったんでしたわね。もったいねぇ…。そこで乗ってりゃ今ごろはiPhoneも…。
チャンスの女神に後ろ髪なし。逃したと気づいたときには、あとの祭りです。コンソールの王位は永久に思えるPSも、過去の物差しだけで図ってると見誤りそうで心配…。新しい動きといえば、アメリカでは今日、ゼルダ風の中国産『原神』 がモバイルだけで初月売上2億5000万ドル(約262億円)を記録したのがニュースになっていました。ゲームの制作=日本という常識も崩れつつあります。
先ほど公開されたPS版トレーラーには「モバイルデータをPSに移植できたらな」という注文がさっそくついていますよ。課金やストアの制約もあるかもですが、解決が待たれます。
PC、モバイル、PSだけで、XBox対応予定は今のところないそうなので、PS勢力拡大の力になりますね。
Sources: Rise at Seven
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