熊本市動植物園(同市東区)は、絶滅危惧種に指定されている在来種のタナゴを増やそうと、園内の「よし池」に放流して“タナゴ池”にする取り組みに挑んでいる。
タナゴは数は少ないが、よし池や江津湖(同区)にも生息。二枚貝のヌマガイなどに産卵し、繁殖することで知られる。タナゴは国内に18種類いるが、江津湖などには希少種のセボシタビラやカゼトゲタナゴなど8種類が生息。50年ほど前は江津湖にも数多く生息していたが、水質悪化や二枚貝の減少などの影響で、激減したという。
同園は、園内のよし池、白鳥池、かも池のうち、最上流のよし池(約4千平方メートル)に、江津湖で捕獲したタナゴを放流して繁殖させる計画に取り組んでいる。昨年2月、よし池の水を抜いて、タナゴを捕食するコイ約100匹を捕獲し、白鳥池に放流。その後、江津湖周辺の用水路で捕ったヌマガイをよし池に移して生息環境を整えた。今年2月、タナゴ約50匹をよし池に放流した。
しかし、その後によし池でコイを確認。同園動物資料館の松成忠広さん(55)は「コイの稚魚が、白鳥池とよし池を隔てていた柵のすき間を通り抜けたようだ」と悩ましげだ。池の水質が合わず、ヌマガイの繁殖にも苦戦している。
今後、藻などでタナゴが隠れる場所を作り、コイを捕獲して白鳥池に戻すという。松成さんは「タナゴを数多く繁殖できれば、江津湖に戻して生息数を増やしたい」と意気込む。(鬼束実里)
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