8月2日に「Pixel 6」だけスニークピークされたときには「aシリーズやめちゃうの?」とちょっと思いましたが、やっぱり「Pixel 5a(5G)」は出ました。昨年は「Pixel 4a(5G)」と「Pixel 5」が10月に同時発表でしたが、今年はaシリーズが一足早く、8月26日に発売されます。
aシリーズは、1つ前のフラグシップPixelの機能をお手頃価格で提供する、というシリーズ。そしてなぜか、Pixel 4a(5G)からはフラグシップよりサイズがでかい、ということになっています。
Pixel 5a(5G)も、でかいです。Pixelシリーズ最大の6.34インチ。「Xperia 1 III」や「Mi Lite 11 5G」などの6インチ以上グループに入ります。
ここで、「Googleさん」恒例のスペック比較表を。今回は先代に当たるPixel 4a(5G)、今のフラグシップPixel 5、今回の主役Pixel 5a(5G)の3台を並べてみました。
コンパクトなPixel 5に慣れていると、ちょっと重く感じる(32g違う)けれど、画面が広いのは特に動画を見るとき気持ちいいです。YouTubeの字幕が読める。
こんなPixel 5a(5G)が、Pixel 5より2万3100円も安い5万1700円ですよ。Pixel 5を最近買った人は、ちょっと怒っちゃいそうなくらいなお得感。
プロセッサもカメラ構成も、もちろんOSも同じ。ディスプレイが大きくなって内側のスペースができた分、バッテリーも大きいです。
もちろん、安くするために犠牲にしたこともあります。コストダウンの跡が見られるのは以下の6点。
- メモリが6GB(Pixel 5は8GB)
- 無線充電に対応していない
- 防塵防水レベルがIP67(Pixel 5はIP68)
- 本体カラーが黒(Mostly Black)の1色だけ(Pixel 5はJust BlackとSorta Sageの2色)
- スムースディスプレイじゃない
- 背面カメラモジュールの2つの“穴”がない(後述)
無線充電できなくてもイヤフォンジャックがあるので充電しながら音楽聴けるし、防水レベルもそれほど違わないし、(個人的印象ですが)少なくとも日本では本体にカバーを付けずに使っている人はほとんど見かけないので、本体のカラバリにコストを掛けないのは正解だと思います。
それに、この黒は「Mostly Black(ほぼ黒)」というだけあって、真っ黒ではなく深緑を思い切り黒に近くしたような、味わいのある色です。材質はアルミですが、Pixel 5と同じような表面加工でしっとり感もあって、このまま持ってもいい感じです。
スムースディスプレイというのはPixel 4からのウリでリフレッシュレートを90Hzにしてなめらかにするやつです。ゲーマーな人なら欲しいかもですが、YouTubeを見るくらいなら60Hzでもいいかなと思います。
“穴”ですが、Pixel 5とPixel 5a(5G)の背面を並べてみると、カメラモジュールが違います。Pixel 5には5つの“穴”があるのに、Pixel 5a(5G)の穴は3つ。
Pixel 5の穴は、公式サポートページではこう説明されています。
右上の小さな穴と、下中央の穴についてはどこにも説明がありません。どうやら、右上のは動画撮影のときのためのマイク、下中央の穴はPixel 3からあるスペクトル・フリッカーセンサーのようです。スペクトルセンサーは外光の色温度などを、フリッカーセンサーは照明のちらつきを防ぐセンサー。これらがないということで、「Pixel 5と全く同じレベルの撮影ができる」とは言えないようです。
でも、何枚かPixel 5とPixel 5a(5G)でほぼ同じ状態で写真を撮ってみましたが、私レベルでは大きな違いは分かりませんでした。以下の写真は色がちょっと違うのが分かります。でも、どっちがいいでしょう? 私はどっちでもいいです。
撮影をものすごく重視しているのでなければ、気にならない違いだと思います。
なので、今ちょうど次のスマートフォンを探していて、特にこだわりがないのであれば、Pixel 5a(5G)はお勧め。でも、安いとはいっても5万1700円。5万円を切らないのは微妙に残念です。お手頃スマートフォンを探す層は4万円台で検討しそう。Pixel 5a(5G)の競合は、例えば中国Xiaomiの「Mi Lite 11 5G」などになると思いますが、プロセッサやカメラの台数などのスペックだけを比較するとMi Lite 11 5Gの方がやや上で、お値段は4万3800円。うむむ。
この約8000円の差額の価値があるかどうかは人によりますが、誰よりも早く最新Androidにアップデートできて、Pixelにしかない「feature drops」を使えるのは大きいです。
feature dropsは、Android端末の中でもPixelだけに落ちてくる新機能。ほとんどのfeature dropsは、Pixelを冠するスマートフォンであれば、貴賤の隔てなしに享受できます。
例えばPixelシリーズにプリインストールされている「緊急情報サービス」アプリで、もうすぐ「自動車事故検出」と「安全確認」機能を使えるようになります。これらは米国などでは既に提供していましたが、日本の当局のOKが出たので、もしものときに自動的に119番に電話できるようになりました。
自動車事故検出はPixelを持って自動車事故的な激しい衝撃があると発動します(ただころんだくらいでは検出しないそうです)。
この他、これまでに追加されたdropsには、GoogleフォトのフィルターやWebページの翻訳機能、音声設定を位置情報で調整できる機能など、ちょっと便利なものがいろいろです。
Pixelシリーズは、一度使ったらそのまま使い続けたくなると思うんです(私はそう)。
シリーズの混沌が整理されたらもっといいんですが。
やっと「XL」という大きいやつがいなくなったと思ったら廉価版のaシリーズは残って、Pixel 4とPixel 4aとPixel 4a(5G)の3台の関係は特に分かりにくいものでした。ハイエンドのPixel 4、その廉価版のPixel 4a、廉価版だけど5Gに対応するPixel 4a(5G)かなと思いきや、単純にそうとも言えず、ディスプレイサイズがまちまちでスペックも微妙に違う。そして、Pixel 5はフラグシップではあってもハイエンドではないものに。でもって、Pixel 6とPixel 6 Proは、オリジナルSoC「Tensor」搭載の、今度こそハイエンドのフラグシップですが、6と6 Proの2モデルにまた増えます。
最近はどこのメーカーもハイエンドとしてProとPro MaxとかProとPro+とか微妙にスペックの違うのを2モデル出すことが多いですが、個人的にはGoogleさんにはすっきりと、ハイエンドのPixel nとその廉価モデルPixel naを1台ずつ出してもらいたいです。
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