<脅威が増す変異株への賢い対処法を考える。11の素朴な疑問に答えます(前編)>
※本誌8月24日号「日本人が知らない 変異株の正体」特集より
コロナ禍を生き抜く上で厄介なのは、刻々と変異を続けるウイルスの最新情報をフォローしなくてはならないことだ。
公衆衛生当局の勧告を自分の状況に合わせて取り入れるには、さまざまなリスクを考慮して、適切な判断を下す必要がある。
ワクチンはウイルスから身を守るのに有効ではある。しかし感染が急激に拡大すれば、ワクチンを接種していようといまいと、全ての人の感染リスクが高まる。
従来株よりもはるかに感染力が強いデルタ株の流行によって、そのリスクはさらに高まっている。
そのため米疾病対策センター(CDC)は7月末、感染拡大地域ではワクチン接種を済ませた人にも屋内でのマスク着用を求める勧告を出した。
何をどう判断するかは、個人の状況や考え方によって変わる。例えば免疫系が弱い人は、そうでない人より慎重になるべきだろう。
脅威が増すばかりのデルタ株に関することを中心に、よくある疑問を11点に絞って、現時点での答えを紹介する。
◇ ◇ ◇
【1】ワクチンを接種していてもデルタ株に感染するリスクはどれくらい?
ワクチンによって異なる。
7月に医学誌ニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディスンに発表された研究では、ファイザー製ワクチンを2回接種した場合、デルタ株の発症予防効果は88%と、アルファ株の93.7%より低かった。モデルナ製ワクチンの有効率も同程度と考えられている。
アストラゼネカ製ワクチンは、デルタ株に対する有効率が67%、アルファ株については74.5%だった。
【2】ワクチンを接種した人が感染した場合、周囲にうつす可能性は?
可能性はある。ワシントン・ポスト紙が入手したCDCの内部文書によれば、ワクチンを接種していてもいなくても、デルタ株に感染した場合には周囲に感染をもたらす可能性はほとんど変わらないという。
しかしワクチンを接種した人は、ウイルスに対する免疫反応がより強いと思われるので、周囲に感染させる危険のある期間は短いだろう。ただし、この点は厳密に検証されてはいない。
【3】ワクチン接種後に感染した人も「長期コロナ感染症(長期の後遺症)」になる?
長期コロナ感染症については、詳しいことがほとんど分かっていない。
最近の研究では、ワクチン接種後に感染して発症した人の19%に6週間後にもまだ症状が見られた。しかしこれは、対象者が多くはない研究の1つにすぎない。さらにデータが得られるまで、明確な結論は下せない。
からの記事と詳細 ( デルタ株は症状が違う? ワクチンの効果はいつから弱る?〈変異株とワクチンQ&A〉 - Newsweekjapan )
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