ファッション業界で今、捨てるはずのあるものを使ったファッションが広がっている。
カジュアルスタイルによく合いそうな白のスニーカーに、フォーマルなシーンでも使えるベージュのバッグ、そして、9月に発売された皮製のブーツ。
これらはすべて、大手ファッションブランド「H&M」のもので、ブドウの皮からできている。
H&M広報部・田中都さん「ワインを作る時に、副産物としてブドウの皮や種・茎といった部分が普段であれば廃棄されてしまっていたものなのですが、それを活用してできた素材がこちらのレザーになります」
一般的に、ワインを作ると、どれくらいの皮が廃棄されるのだろうか。
国内有数の産地・山梨県のワイナリーを訪れてみると...。
マグヴィスワイナリー・松坂浩志代表取締役「こちらがワインの搾りかすになります。1,800本のワインを造るために、450kgの搾りかすが出ます」
こちらのワイナリーでは、たい肥やキノコ栽培などに使うなど再利用しているという。
先ほどの搾りかすでできたブーツを見てもらうと...。
マグヴィスワイナリー・松坂浩志代表取締役「面白いですね。ワインからいっぱい廃棄物が出ますので、いろんなことに再利用されるのは本当にいいこと」
では、H&Mの皮製品は、どうやって作られているのか。
まず、廃棄されるブドウの皮などから水分を抜き、乾燥させていく。
その後、植物性の樹脂を加えることで、色が白くなり、生地のもととなる液体に。
ここにインクを入れることで、色を変えることも可能になる。
1平方メートルの生地を作るのに、およそ1kgのブドウの廃棄物が使われている。
H&Mには、ほかにも通常、捨てられてしまうパイナップルの葉の部分を使ったジャケットやザクロの皮で染めたワンピースも展開してきた。
H&M広報部・田中都さん「使われずに捨てられてしまう部分を活用することで、資源の保護にもなりますし、環境への負荷も減らせる」
一方、こちらのお店のデニム商品も、あるフルーツから作られている。
ジャパンブルー・岸本裕樹常務執行役「バナナ繊維を、この糸にしまして、これをデニムの生地に織って作っています」
バナナでできた、このデニム。
開発のきっかけは、数年前のタイ旅行だった。
ジャパンブルー・岸本裕樹常務執行役「話を聞いたのが、バナナは一度作ったら、その木を伐採してしまうってことだったので、それを聞いたときに『ええ、もったいないな』ということで」
バナナの収穫で伐採される茎は、年間およそ10億トン。
日本で1年間に出される一般ごみの23倍にも及ぶ。
その焼却では、大量の二酸化炭素が発生。
地球へのダメージも計り知れない。
試行錯誤を重ね着心地を追求した、バナナデニム。
実際に着てみると、やわらかい生地で手触りもいい。
こちらでは、ほかにもパッチ部分にリンゴの皮や芯を使うなど、開発が進んでいる。
広がるファッション業界の新たな取り組み。
「全身フルーツコーデでお出掛け」という日も近いかもしれない。
からの記事と詳細 ( ブドウの皮でブーツ&バナナの茎からデニム 広がる廃棄物の“再生”ファッション - www.fnn.jp )
https://www.fnn.jp/articles/-/242756
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