年々深刻化する地球環境。私たちがすべき第一歩は「知ること」かもしれません。今回は絶滅が心配される「トラ」の保護の実態をみていきます。
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インドの保全が新たな段階へ
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【緊急提言】トラと日本の意外なカンケイ!?WWFが挑戦する、一歩ふみ込んだ環境保全
インドは世界のトラの6割が生息する重要な国で、トラの亜種では最も個体数の多いベンガルトラが分布。近年は、WWFや政府など多くの人や組織の尽力により、その個体数が増加に転じています。
2021年には、CA|TS*1と呼ばれる、トラの保全を高い水準で実施している地域にのみ与えられる認証を、国内14カ所のトラ保護区が取得しました。
この認証では、保全のための取り組みのみならず、同じ地域に暮らす人々と、野生のトラがうまく共存できているかについても審査されます。そのため認証された地域では、人の暮らしとトラの保護、両方に配慮した取り組みが、高い水準で実施されている、ということになるのです。
*1:CA|TS = Conservation Assured Tiger Standards
マレーシア…ベルムテメンゴール森林地域の罠が激減
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東南アジアのトラにとって最大の脅威の一つは、高値で売れるトラの骨を狙った密猟者が、森に仕掛ける罠です。くくり罠と呼ばれる、金属製のワイヤーで作られる罠は、安価で簡単に仕掛けることができ、トラに限らずさまざまな野生動物を無差別に捕らえてしまいます。
マレーシアのベルムテメンゴール森林地域では、先住民を含む地域住民で結成されたパトロール隊が、罠の回収や見回りなどの活動を展開。長年にわたり取り組みを続けてきた結果、2017年以降の罠の数は94%減少しました。
マレーシアは、特にトラの減少が深刻な国の一つで、マレー半島に生息する亜種マレートラの推定個体数は200頭以下。パトロール隊の活動は、その貴重なトラの命を支えています。
ベルムテメンゴール森林地域で撮影されたトラ
(C)WWF-Malaysia
中国…もっと多くのトラが生息できる可能性が明らかに
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ロシアとの国境に位置する中国東北部には、最大の亜種シベリアトラ(アムールトラ)が数十頭生息していると推測されています。また、2021年に発表された論文によると、この地域には300頭以上のトラが生息できるだけの森が残されていることが分かりました。
しかし同時に、これを実現させるために乗り越えなければならない課題も明らかになりました。一つは獲物となるシカなどの草食動物の数が不十分なこと。もう一つは、森林が分断され、そのつながりが失われていることです。そのため、パトロールや森林再生などの活動が進められています。
虎娃(フワ)と名付けられたオスのトラ(黄泥河国家級自然保護区で撮影)
(C)Jilin Huangnihe National Nature Reserve
連載人と自然が調和して生きられる未来を目指して「環境保全レポート」
からの記事と詳細 ( 100年で個体数98%減…絶滅危惧種「トラ」保護の現状 | 富裕層向け資産防衛メディア - 幻冬舎ゴールドオンライン )
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