食品ロスの削減策として注目されている食品残渣(ざんさ)を使った「アップサイクル」商品のみを販売する「アップサイクルマーケット」が27日、東京の有楽町マルイに期間限定でオープンした。5月15日まで。バナナの皮を使ったジャムや大根の皮のチップスなど、食べられずに廃棄されていた食材に新たな付加価値を加えた商品が並んでいる。
“捨てていた部分”も美味しく
冷凍ブロッコリーの製造工場で花蕾(からい)をカットした後に残る茎や、漬物工場で加工時に出る大根の皮を使ったチップス、かりんとうのように仕上げたナスのヘタのチョコがけ─。アップサイクルマーケットには、普段「食べない部分」として認識している食材が「食品」として並ぶ。
食品のサブスクリプションサービスを手掛けるオイシックス・ラ・大地(東京)が、日常生活に気軽に取り入れられる新しい「食品ロス対策」の形として提案。フードロス解決型の食ブランド「Upcycle by Oisix」を立ち上げた。
きっかけとなったのは、同社が手掛ける材料とレシピがセットになった「ミールキット」のサービス。必要な分の食材がカットされた状態で届く利便性が特徴だが、一方でミールキットを利用した場合、スーパーなどの小売店で食材を購入した場合と比べて家庭で出る廃棄食材の量が3分の1程度に削減されることも分かった。
そこで食材を作る過程や加工過程で発生する廃棄食材に着目。それらをアップサイクル商品として活用することでさらなる食材ロスの削減につなげたいとの思いから、昨年7月にアップサイクル商品を専門に開発する新ブランドを立ち上げた。
同社ブランドマネージャーの三輪千晴さんは「食品ロスの課題を消費者に押し付けるのではなく、食材の新しい一面を伝えることで食品ロスの削減につながるような世界観を提供したい」と強調する。単に食べやすさだけでなく美味しさも追求しており、商品開発の過程で「ボツ」になった食材も少なくないという。
試行錯誤を重ね、商品化にこぎつけたアップサイクル商品は全部で17種類。商品1つあたりの食品ロス削減量を示しており、今年3月末までの9カ月間で食品ロスの削減量は27トンに及ぶという。会期中は日々達成した食品ロス削減量を計測する予定で、三輪さんは「会期中に30トンを目指したい」と意気込む。
アップサイクルマーケットではプライベートブランド9種類に加え、ナショナルブランド40種類を展開。開催期間中に迎える「母の日」(5月8日)用のギフトセットや、アップサイクル食材を使った完全菜食主義者「ヴィーガン」向けのミールキットメニュー(同3日までの限定販売)も販売する。
会場や商品展示をプロデュースしたグループ会社「CRAZY KITCHEN」最高経営責任者(CEO)の土屋杏理さんは、「『食品ロス削減』というと真面目に捉えられがちなので、生活に取り入れやすいように工夫した。これを機に問題を身近に感じてもらえたら」と話している。
からの記事と詳細 ( バナナの皮がジャムに変身 廃棄食材の「アップサイクル」マーケットで食品ロス対策に新提案 - SankeiBiz )
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