黒と白のコントラストと、神々しいシルエットが美しいタンチョウは、日本を象徴する鳥だと言える。一時は絶滅の危機に瀕していたものの、保護活動が実を結び、絶滅のリスクは減っている。しかしその反面、人間がいなくては生活できないという事態に陥っているようだ。
タンチョウのダンスが始まった。即興のパ・ド・ドゥ(男女2人の踊り)だ。
2羽はお辞儀をして近づく。そして前後に交差し、空中に舞い上がると、パラシュートのように軽やかに地上に戻って来た。目を見張るような身のこなしで、純白と漆黒の翼を大きく広げ、頭上に広がる青空に向かってくちばしを傾ける。
こうして優雅な求愛の儀式が執り行われるなか、北海道で野菜農家を営む山崎一彦は、赤い大型トラクターで雪に覆われた畑に乗り入れた。緑色の回転式漏斗から、50羽超のタンチョウの餌となる約18キログラムのトウモロコシを撒く。
タンチョウは、日本で忠誠と長寿の象徴とされる鳥だ。
今から半世紀余り前、山崎の祖父が金属製のバケツでトウモロコシの実を同じ畑に撒き始めたころ、タンチョウは日本全国に30羽程度しか残っていなかった。だが、地元の保護活動家が主導し、日本政府の助成を受けた数十年に及ぶ努力が実を結んで、山崎が住む釧路のタンチョウの数は約1900羽にまで増えている。
保護活動の成果と課題
今から半世紀余り前、山崎の祖父が金属製のバケツでトウモロコシの実を同じ畑に撒き始めたころ、タンチョウは日本全国に30羽程度しか残っていなかった。だが、地元の保護活動家が主導し、日本政府の助成を受けた数十年に及ぶ努力が実を結んで、山崎が住む釧路のタンチョウの数は約1900羽にまで増えている。
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