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Wednesday, June 15, 2022

肉もバナナも値上がり… 24年ぶり 止まらない円安 暮らし直撃で福岡にも影響広がる - FNNプライムオンライン

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円安の流れが止まりません。

円相場はついに24年ぶりの円安ドル高水準に突入。
 
福岡や私たちの暮らしへの影響を取材しました。

6月14日、福岡空港の国際線ターミナルを訪ねました。

◆記者
「プサン便が到着しました。外国の方が続々と降りてきます」

国際線のロビーでは、韓国やベトナムを行き来する多くの外国人利用客の姿が見られました。

6月10日からおよそ2年2カ月ぶりに外国人観光客の受け入れが再開された中、久しぶりに九州を訪れたというこちらの韓国人女性は『あること』を実感していました。

◆韓国からの旅行者
「円安で旅行する側としてはうれしかったです」

それは、円安です。

◆韓国からの旅行者
「湯布院に行って温泉入って楽しみました」
「免税店を利用して薬類をたくさん買いました」
Q)いくら使った?
「22万円ぐらい」

外国人観光客にとって追い風となる「円安」。

13日、東京外国為替市場の円相場は一時、1ドル=135円台に。

実におよそ24年ぶりの、円安ドル高水準となりました。

1月には1ドル=115円台で推移していた円、その後、急速に円安が進み、6月13日は、135円台に。

この半年で、およそ20円の円安になりました。

例えば、1ドルのチョコレートを500円を出して買う場合、1月は1ドル115円なので4つ買えていたものが、6月13日は1ドル135円なので3つしか買えません。

円安は、相対的に円の価値が下がることを意味します。

円安の背景にあるのが「日米の金利差」です。

景気対策のため金融緩和を続ける日本とインフレ対策のために、利上げを進めるアメリカ。

それぞれの金融政策の違いから、円を売って、より利回りの見込めるドルを買う動きが一段と加速しています。

急速な「円安の進行」について、鈴木財務大臣は14日ー

◆鈴木財務相
「為替相場は安定的に推移することが重要だ」
「急速な円安の進行がみられ憂慮している」

「物価への影響を注視しながら日銀と連携して必要な場合は適切な対応をとりたい」と述べました。

一方、日銀の黒田総裁は13日、国会で…

◆日銀 黒田総裁
「賃金の本格的上昇を実現するには、金融緩和を粘り強く続けることで経済をしっかりサポートする必要がある」

『金融緩和を粘り強く続ける』ことを改めて強調。

このまま日米金利差が拡大し続ければ、1ドル140円台になるという見方もあります。

こうした中、福岡市内のスーパーでは…

◆記者
「こちらの精肉コーナーでも、円安の影響をすでに受け始めています」

円安の影響が出始めていたのは、精肉コーナーです。

◆エムズ 中田哲也さん
「輸入品の値上げ幅が広がっている。オーストラリア産牛肉は280円で販売している。ただ、去年までは198円で販売していた」

日本の食卓でもおなじみのオージービーフ。

こちらのスーパーでは去年まで1パック198円で売られていたものが、今年は280円と82円値上がりしています。

ドル建てで取引されているため、オーストラリア産でも円安の影響を受けていました。

◆エムズ 中田哲也さん
「原価が3~4倍に跳ね上がっている状況で売価を倍にしたところで、(利益を)回収できていない。値上げをやっぱりお客さんが認めてくれない。感覚としては、これ以上値上げしてしまうと買い物カゴに入れてくれない」

パスタなど海外から輸入される商品は軒並み円安の影響を受けているといいます。

◆来店客
「(家計に)影響していると思います。常にいるものだから仕方がない、こればっかりは」

家計を直撃する円安による値上げの波は、『物価の優等生』とも言われる果物にもー

◆エムズ 中田哲也さん
「バナナですけども、こちらも値上がりしております」

ほとんどを海外からの輸入に頼っているバナナ。

去年1房99円だったものが、現在は139円と40円も値上がりしています。

これまで安定していたバナナ価格の高騰は、「異例の事態」だと感じています。

◆エムズ 中田哲也取締役
「これまで1度もなかった。通常安定供給を図れるのはバナナだった。売り上げの最上位にあったのがバナナ。売り上げもバナナが占める割合が大きかったが、2割ほどダウンしている」

今回の円安によるバナナの値上がり。

このバナナを巡っては今後、さらなる値上げが予想される事態が起きています。

◆駐日フィリピン大使
「現状のまま継続するのは、バナナ生産者にとって現実的ではなくフェアでもない」

フィリピン政府が6月、バナナの販売価格引き上げに理解を求める要望書を提出。

ウクライナ情勢などを背景に生産コストや輸送費が大幅に上昇している一方で、販売価格が変化していないため、生産者の利益が確保できない状況に陥っていると訴えています。

日本に輸入されるバナナのおよそ8割はフィリピン産。

長い間「物価の優等生」として親しまれていたバナナが、気軽に手に入らない果物になるかもしれません。

◆エムズ 中田哲也さん
「輸入に頼る日本では私たちの商品にひっ迫してくるので、そこは注視しながら行動を考えていきたい」

一方、福岡市・天神の百貨店では…

◆記者
「化粧品売り場です。かつてのようなインバウンドの方の姿はあまり見られませんが、今後、免税の対象となる化粧品を買い求める人が増えることが期待されています」

こちらの百貨店では、外国人観光客の受け入れ再開に円安が重なり、外国人による『爆買い』の光景が復活するのではないかと期待を寄せています。

◆岩田屋三越 目叶美代子さん
「コロナによってインバウンド客が消失したという点が売り上げにも大きく影響していたので、今後、以前のような形でインバウンド客が多く来店する状況に期待している」

いまの円安は、訪日する外国人にとって商品を安く買えるメリットがあるため、今後の高価な商品の売れ行きが伸びるのではと準備を進めています。

◆岩田屋三越 目叶美代子さん
「原価高騰による値上げなど発生しているが、高額品の時計、宝飾、ラグジュアリーのブランドに関しては、インバウンド客にとって円安のメリットを活かしてお買い物して頂ければ」

福岡の経済や私たちの暮らしに影響が広がる円安。

政府と日銀が今後、どのような金融政策を進めていくのかが、今後の大きなポイントとなります。

テレビ西日本

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