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最後の生き残りにはなりたくないな…。
いにしえの時代より地球で繰り返されてきた種の絶滅。太古の昔に絶滅した種が新たに発見されることもありますが、人類がある種にとっての「最後の個体 」を特定できるようになったのは、ここ100年くらい のことなんだそうです。なぜかというと、最後の個体を保護するケースが多いから。
科学者は、そのいなくなったら絶滅する「最後の個体」を「Endling 」と呼びます。ここでは、そんなEndlingを9種紹介します。このリストは頻繁に更新したくないですね…。
1. タフィー(Rabbs' fringe-limbed treefrog|アマガエル)
Image: Wikimedia Commons
水かきまで愛くるしいこのアマガエル は、パナマに生息するRabbs' fringe-limbed treefrog で、名前はToughie (タフィー)。Toughieは2005年に毒性の強い菌類から保護するために引き取られましたが、2016年に米ジョージア州のアトランタ植物園で最後の瞬間を迎えました。
2. フェルナンダ(フェルナンディナゾウガメ)
フェルナンディナゾウガメ のフェルナンダ は、2019年にガラパゴス諸島のフェルナンディナ島で発見されましたが、実は1世紀以上前に絶滅した と考えられていたんです。この種が野生で確認されたのは、1906年が最後 。フェルナンダのおかげ でかろうじて絶滅していないことがわかったのは自然保護にとって素晴らしいニュースではあったのですが、それでも最後の個体という切なさは拭えません。ガラパゴス諸島のどこかで仲間が生き残っていることを願いつつ、長生きして最後の個体リストから消えないでね、フェルナンダ。
3. ベンジャミン(フクロオオカミ)
Image: Wikimedia Commons
ベンジャミンと呼ばないで。だってフクロオオカミ(タスマニアタイガー)最後の個体は メス だったんだから。デマ流したの誰?
それはさておき、1936年にオーストラリアのタスマニア州ホバートにあるホバート動物園(ビューマリス動物園とも呼ばれている)で死んだ最後のフクロオオカミの足跡はたくさん残っています。
Image: Wikimedia Commons
最後の個体が死んだあとも、しばらくは野生に生き残りがいた と考えられていますが、ベンジャミンと呼ばれていたフクロオオカミはホバート動物園で極寒の夜に飼育舎から締め出されたために命を失った そうです。
フクロオオカミの絶滅をリバースさせようという動きもあるようですが、あくまでも近い種になるだけ で、1936年に絶滅したリアルのフクロオオカミの再現はできない とのことです。
VIDEO
Video: NFSA Films / YouTube
4. マーサ(リョコウバト)
Image: Wikimedia Commons
マーサ・ワシントン(米ジョージ・ワシントン大統領夫人)にちなんで名付けられたリョコウバト のマーサ は、1914年にオハイオ州シンシナティ動物園で死にました。29歳。老衰でした。当時、アメリカには群れが空を覆って太陽が隠れるほどのリョコウバトがいましたが、19世紀になると電報の発達で群れの情報があっという間に伝わるようになったこともあり、大規模な狩猟 によって数が激減し、二度と個体数が回復することはありませんでした。ああ、人間。
5. ロンサムジョージ(ピンタゾウガメ)
Image: Wikimedia Commons
地球史上最も有名になったゾウガメ、ロンサムジョージ 。1910年頃に生まれたロンサムジョージは、ガラパゴス諸島のピンタ島 で最後の生き残りとしてその名を知られることになりました。ジョージの遺伝子を残すために他種との交配を試みるもうまくいかず、2012年 に生涯を終え、ピンタゾウガメは絶滅 。絶滅の原因は乱獲 でした。
6. セリア(ピレネーアイベックス)
Image: Wikimedia Commons
スペインアイベックスの4亜種のひとつで、ピレネー山脈 を生息域にするピレネーアイベックス は、20世紀後半に狩猟が原因 でスペインのオルデサ・イ・モンテ・ペルディード国立公園に追いやられてしまいます。
2000年 に、最後の個体となったメスのセリア が倒木の直撃を受けて死んでいるところを発見され、絶滅が確定してしまいました。科学者たちの試みでセリアのクローンをつくることに成功 したかに見えましたが、肺に欠陥があったために生まれて間もなく死んでしまったそうです。
7. クアッガ(シマウマの亜種)
Image: Wikimedia Commons
南アフリカに生息したシマウマの亜種 であるクアッガ は、1878年 を最後に野生で確認されることはなくなりました。
皮と肉を求めて行なわれた狩猟 によって個体数が激減する中、動物園で保護されるようになったものの、飼育環境下での繁殖は困難 を極め、1883年 にオランダのアムステルダムにあるアルティス動物園で最後の個体だったメスのクアッガが死んで、絶滅しました。
DNA解析でサバンナシマウマの亜種であることが判明したため、交配によってクアッガを復活させるプロジェクト が1986年に発足し、似た模様を持つ交配種が誕生 しています。でも、クアッガに似たシマウマは、クアッガじゃない んですよね。
8. ブーミング・ベン(ニューイングランドソウゲンライチョウ)
Image: Wikimedia Commons
1930年代に絶滅 したニューイングランドソウゲンライチョウ は、ソウゲンライチョウの亜種で、米北東部のニューイングランドに広く分布 していましたが、食用として乱獲 されたことによって、1870年までにマーサズ・ヴィンヤード島 以外の地域では絶滅 してしまいました。その後、数十年にわたる近親交配や病気のまん延、災害などが重なって個体数が減り、ブーミング・ベン と名付けられたオス鳥を最後に絶滅に至りました。ブーミング・ベンが最後に目撃されたのは、1932年3月11日 のことでした。
ニューイングランドソウゲンライチョウも残されたDNAと他種を交配して復活させようとする動き があるようです。
9. 孤独なヤシ(Hyophorbe amaricaulis)
Image: Wikimedia Commons
最後はヤシです。モーリシャス のキュールピップ植物園に存在する、「孤独なヤシ (Loneliest Palm )」と呼ばれるヤシ(Hyophorbe amaricaulis)は、絶滅してしまった伝説の鳥ドードーが生息していたことで有名なモーリシャス島の固有種なのだそうです。モーリシャスで次に絶滅するのは、このヤシかもしれません。
命に限りがあるように種にもいつか絶滅するときがくるのだとしたら、狩猟や乱獲、乱開発、人的気候変動のように防げる原因であってほしくないですね。
Reference: NFSA Films / YouTube , The Scientist Magazine
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