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Thursday, November 23, 2023

こども食堂第1号 「家でバナナ1本で過ごす子」ほっとけなかった ... - 日本経済新聞

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子どもが1人でもで立ち寄れて、温かい食事を無料または安価で食べることができる「こども食堂」。その数は全国に7000カ所以上ともいわれているが、始まりの場所とされるのが、東京都大田区にある「気まぐれ八百屋だんだん」だ。店主の近藤博子さんはもともと歯科衛生士の仕事をしていて、地域との関わりはさほどなかったという。そんな近藤さんがこども食堂の活動を思い立った経緯を振り返ってもらった。

(上)こども食堂第1号 「家でバナナ1本で過ごす子」ほっとけなかった ←今回はココ
(下)「人が来なくてもやり続けよう」 こども食堂を始めた仲間の合言葉

 9日(木)は「だんだんワンコインこども食堂」、14日(火)は「夜まわり弁当」、17日(金)は「産前産後保健室」、26日(日)は「気まぐれマルシェ」……。2023年11月の予定を記したカレンダーには、さまざまな活動が並んでいる。

 「以前は時間割のように、1日の中でもっといろんな予定が入っていたんですよ。ただ、高齢者の方が集まるものが多かったこともあって、コロナ禍を経て大人向けの活動はお休みに。今は子どもたちと、あとは子育て中のお母さんたちのためにできることがあればいいのかなと思って、いろいろ模索しながらやっています」。そう話すのは、これらの活動が行われている「気まぐれ八百屋だんだん(以下、だんだん)」の店主で、一般社団法人ともしびatだんだんの代表理事、近藤博子さん。だんだんは有機野菜を扱う小さな八百屋として08年に開店。その後、12年に近藤さんが仲間と一緒に始めた「こども食堂」の活動は、やがて全国に広がっていくことになる。

近藤博子さん 一般社団法人ともしびatだんだん代表理事

近藤博子さん 一般社団法人ともしびatだんだん代表理事

1959年、島根県生まれ。高校卒業後に上京、歯科衛生士として長年働く傍ら、2008年に東京都大田区で有機野菜を扱う「気まぐれ八百屋だんだん」を開店。12年、店内で、子どもが1人でも食事に来られる「こども食堂」の活動をスタート。「だんだん」は島根県などでありがとうの意味で使われる言葉

続いていることが自分でも不思議

 こども食堂は、「使命感に突き動かされた」「困っている子どもを助けたい」などと大きく構えて始めたことではないと近藤さんは振り返る。「一度始めたからにはやめられないと思ったこともないですし、続いていることが自分でも不思議なんですよ」。自身もスタッフも無報酬、すべてボランティアの力で運営されてきたこども食堂は今年でスタートから11年。だんだんは老若男女、地域のさまざまな人たちをつなぐ多様な活動が行われる場へと成長し、近藤さんは23年4月、日本の文化活動に著しく貢献した人やグループに贈られる吉川英治文化賞を受賞した。

 「私が? と驚きましたけど、授賞式でスピーチの時間が少しあると聞いて、伝えたいことを伝えられるチャンスをいただいたのだと、お受けすることにしました」

 だんだんのある大田区で近藤さんが暮らし始めたのは、島根県の高校を卒業して、歯科衛生士の専門学校に入学するために上京したとき。「高校時代、大学進学も含めて将来どうしようかと考えていたとき、後輩の親御さんから『東京の親戚が、住み込みで学校に通いながら歯科衛生士になる子を探している』という話をいただいたんです。どんな仕事かなと東京に見学に来てみたら面白そうだったので、その道を選ぶことにしました」

読み聞かせに使ったり、子どもたちが自由に読んだりできる本は寄贈を受けたもの

読み聞かせに使ったり、子どもたちが自由に読んだりできる本は寄贈を受けたもの

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