まずは栄養価から見てみよう。バナナ1本分のカロリーは約93kcalで、炭水化物22.5g、食物繊維1.1g、カリウム360mgが含まれている。また、ビタミンC、ビタミンB6、電解質(マグネシウム、ナトリウム、そしてもちろんカリウムも)など、そのほかの栄養素の優れた供給源でもある。
「アメリカ人の約90%は、一日の推奨摂取量の果物や野菜を毎日摂取していません。そのため毎日バナナを食べることは、果物を摂取する非常にいい習慣と言えるでしょう」と、マナカーさんは語る。
とはいえ、バナナを毎日食べることが誰にでも適しているわけではない。低カリウム食を実践している人や、バナナを食べた後に血糖値が上昇する人には、毎日バナナを食べることは最適な選択肢とは言えません、とマナカーさん。
バナナには炭水化物と糖が含まれており、糖尿病患者にとって健康にいい食品なのかどうかは疑問が残る。しかしハーバード大学T.H.チャン公衆衛生大学院によると、バナナに含まれる炭水化物は食物繊維に似た難消化性でんぷんのため、血流へのグルコースの放出は少ないという。
炭水化物以外にも、バナナには細胞や筋肉の機能、心臓の健康にとって重要な電解質であるカリウムが含まれている。カリウムとナトリウムは相互に作用し、バランスが取れていないといけない。血中のカリウム値が高すぎると、高カリウム血症を発症することがある。ただし、クリーブランドクリニックによると、高カリウム血症にかかるのは米国の人口のわずか2~3%だという。
「一般的に健康な人の場合、食事でカリウムが豊富な食品を過剰に摂取していなければ、一日1本のバナナを食べても高カリウム血症を発症する可能性は低いです」とマナカーさんは話す。
これらのことから、一日1本のバナナは一般的に安全といえそう。ただし、これは個人の健康状態と食事内容によって変わること。マナカーさんは、全体的にさまざまな果物や野菜を食べるよう推奨している。「毎日バナナを食べるのは多くの人にとって悪いことではありませんが、バナナをローテーションの一部にしていろいろな種類の果物を食べるほうが健康にいいでしょう」
一日に食べられるバナナの量は、その日の食事の残りの部分によって決まります、と補足するマナカーさん。胃腸炎でバナナしか食べられない人は、彼女いわく一日1本以上食べてもおそらく大丈夫だそう。けれど、炭水化物が豊富な食品を “大量に” 食べて、さらにバナナをたくさん食べるのはあまりいいアイデアではありません、とマナカーさんは話す。よく言われるように、どんなものでも(たとえ果物でも)過剰摂取はマイナス面があるため、バランスを保つのが一番だ。
バナナの普通の食べ方に飽きている人は、ピーナッツバターを入れたバナナスムージーや、ナッツ入りのバナナブレッド(超熟したものを使い切るのに最適) などがおすすめ。いろいろな果物を取り入れたいなら、フルーツをグリルにしたり、カラフルなフルーツサラダや鮮やかなブルーベリースムージーまで、いろいろなレシピを探してみよう。
translation : Mutsumi Matsunobu cooperation : Yumi Kawamura photo : Getty Images
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