ニューヨーク州やコネティカット州では絶滅
だが、このネズミに注目すべき理由は、ほかにある。個体数が急速に減少していて、その原因が不明なのだ。アレゲーニーウッドラットは生息域の大半、特に北部において、絶滅を危ぶまれている。ニューヨーク州、コネティカット州、マサチューセッツ州においては、すでに絶滅した。ペンシルベニア州では、わずか40年の間に個体数が75%も減少し、ニュージャージー州とオハイオ州では個体群が1つずつ残っているだけだ。 ここメリーランド州でも、1990年代以降、個体数が65%以上減少している。これは同州天然資源局の職員であるフェラー氏が自らの目で見てきたことでもある。過去30年間、彼は何百匹ものウッドラットを捕獲してきたが、今では1年に十数匹捕獲できればいい方だという「不穏な傾向」になってきているそうだ。 長く敏感なヒゲを使って、暗い洞窟などの中を動き回る、大きな目をしたウッドラットたち。彼らがなぜ消えつつあるのかは、科学者たちにもわかっていない。20世紀に餌のクリが胴枯病で壊滅的な被害を受けたことや、寄生虫が急速に広まったことなど、さまざまな要因が絡み合っているようだ。 原因がはっきりしないうえ、複数の州が絡むといった背景から、アレゲーニーウッドラットの保護活動を取りまとめるのは大変だったとフェラー氏は言う。 しかし、2020年、パンデミックがすべてを変えた。13州の哺乳類学者たちがズームで毎月会合を開き、アレゲーニーウッドラットの個体数を回復させるためのデータや戦略を共有するようになったのだ。 こうして統一されたアプローチがウッドラットの保護に活気を与えていると、フェラー氏は言う。「多くの人はウッドラットの存在さえ知らないかもしれません。しかし彼らの存在が、この山地を特別なものにしている面もあるのです。長い間、彼らは米国東部の森の一部であり続けてきましたし、将来的にもそうあるべきだと思います」
からの記事と詳細 ( 各州でなぜか絶滅している米国の野生ネズミ、保護作戦が加速(ナショナル ジオグラフィック日本版) - Yahoo!ニュース )
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