
中国古代の遺跡からはヨロイのような皮膚と角を持つサイを写実的に表現した青銅器が発見されている。本物そっくりで想像で作り出せる造形ではない。かつて中国にもサイが生息し、直接、観察できたことを示す文物だ▲「犀(さい)」は尾と牛を合わせた会意文字。象や鹿、馬など「ケモノへん」をつけない漢字が使われる動物は、古代中国の人たちの生活に関わる存在だったといわれる。サイの角は漢方薬の材料として珍重され、粉状にして解毒、解熱薬に使われた▲中国のサイは絶滅し、現生するのはクロサイやシロサイ、インドサイなど5種類。取引が規制されているにもかかわらず、いずれも絶滅の危機にある。角が薬材や貴重品として高額で取引され、密猟が絶えない▲アフリカのナミビアではクロサイを安全な地域に移送するプロジェクトを始めた。重さ1トン前後のクロサイを眠らせた上で脚を縛って逆さづりにし、ヘリコプターで輸送する▲ナミビア政府はサイの健康に与える影響を調べるため、米コーネル大の研究チームに調査を依頼した。その成果がノーベル賞のパロディーとして誕生したイグ・ノーベル賞の「輸送賞」を受賞した。日本人が15年連続で受賞し、注目が高まる同賞は人を笑わせ、考えさせる研究を対象にする▲サバンナの上に逆さづりのサイが浮かぶ光景は滑稽(こっけい)だが、心配にもなる。しかし、台に乗せ、寝かせて運ぶより血流への影響が少なく安全と聞いて安心した。動物保護に大いに貢献する研究成果である。
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