福島県の広野町振興公社は東日本大震災と東京電力福島第一原発事故で打撃を受けた農業と観光の再生に向け、2018(平成30)年にバナナの栽培を始めた。現在は二ツ沼総合公園内にある三棟のハウスで約210株を育てている。
首都圏に販売先を拡大しようとしていた時、新型コロナウイルスの感染拡大で物産展の中止が相次いだ。販路開拓の機会を失うとともに、二ツ沼総合公園の一時休園によりハウス見学の見合わせを余儀なくされた。
先行きが見通せない中で、公社はブランド化に活路を見いだそうとしている。国内版の安全認証制度「JGAP」を取得。昨年末には地中熱を活用したハウス内の温度管理を始めた。農業用ハウスへの地中熱導入は珍しく、二酸化炭素排出量削減の先進的な取り組みとして県内外から注目を集めている。社長の中津弘文さん(64)は「大学や農業関係の視察が大幅に増え、町の交流人口の拡大につながっている」と成果の一端を語る。
バナナはポリフェノールを豊富に含むなど、栄養価が高い。広野のバナナは上品な味わいともちもちとした食感が人気。職員の田村弘一さん(58)は「小ぶりだが糖度は高い。ぜひ味わってほしい」と呼び掛けている。
<メモ> バナナは二ツ沼総合公園内にあるトロピカルフルーツミュージアム(広野町下北迫字大谷地原58)で販売している。一本300円(税込み)で、週末限定の販売。公園内のカフェスペースでは、バナナを使ったクッキーやドーナツ、ジュースなどを提供している。問い合わせは町振興公社へ。
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