停戦協議で兵力の縮小を表明したロシアですが、その後もウクライナへの攻撃は止まらず、被害が拡大しています。
■停戦協議…ロシア側に“手応え”
ウクライナ・ゼレンスキー大統領:「戦争は続いています。 ロシアは、ウクライナに新しい軍隊を送り込んでいます。我々を破滅させ続けるために。ウクライナ人を絶滅させるために」
ウクライナのゼレンスキー大統領は日本時間30日夜、ノルウェーの議会向けに、ビデオ演説を行いました。
一方、停戦協議でロシア代表団のトップを務めるメジンスキー大統領補佐官も、動画を公開しました。
ロシア・メジンスキー大統領補佐官:「ウクライナ側は、ロシアとの関係で、重要な多くの項目について履行する意思を初めて示した」
前日にトルコで行われた停戦協議で、ウクライナ側がNATO(北大西洋条約機構)への加盟の断念や、核兵器を保持しないことを文書で提案したと主張し、協議進展への手応えをにじませました。
■協議後も…ロシア軍“一晩中砲撃”
ロシア側は、首都キエフや北部のチェルニヒウなどで、軍事作戦を大幅に縮小させると表明。しかし、ロシア軍の攻撃が止む気配はありません。
実際、協議が行われた29日には、キエフ近郊で砲撃により、倉庫が破壊。協議が終わった後のキエフ市内からの中継映像でも、リポート中に警報が鳴り響いていました。
これまでも、チェルニヒウでは、空爆で学校や住宅などに大きな被害が出ています。
チェルニヒウ州・チャウス知事:「きのう、ロシアはチェルニヒウ、キエフへの侵攻を減らすと公言しました。それを信じているか?信じるわけがない。停戦協議後も、ロシア軍が一晩中、チェルニヒウ市を砲撃していた」
■“兵力縮小”でなく…“再配置”か
停戦協議の一方で、攻撃の手を緩めないロシア。アメリカは、兵力の縮小を信用していません。
アメリカ国防総省・カービー報道官:「これは再配置であり、本当の撤退ではない。ウクライナの別の地域で、大規模な攻撃が起きると覚悟すべきだ」
アメリカ国防総省のカービー報道官は、キエフ周辺から移動をしたロシア軍は少数で、キエフへの脅威が去ったわけではないと警告しました。
バイデン大統領もゼレンスキー大統領と電話で会談し、ウクライナに対して、さらに5億ドル(約609億円)の財政援助を行う意向を示しました。
■マリウポリ 数日で制圧か
そうしたなか、ロシア軍が攻勢を強めているのが、東部・ドンバス地方です。
ロシア国営テレビは、マリウポリのものとする映像を公開。親ロシア派の民兵が市街地で戦闘を行い、隠れていた民間人を救う様子を伝えるなど、プロパガンダとして利用しているとみられます。
中国国営の国際放送もマリウポリに入り、戦況を伝えています。
中国国営の国際放送:「マリウポリの劇場近くにいます。銃撃戦の音が聞こえます」
■ロシア“傭兵”1000人投入へ
街の9割が破壊され、5000人が死亡したとされるマリウポリ。アメリカのシンクタンクは、数日以内にロシア軍に制圧される可能性があると分析しています。
また、イギリス国防省は、ロシア側が民間軍事会社「ワグネル」の傭兵1000人以上をウクライナ東部の戦闘に、投入する見通しだとしています。
(「グッド!モーニング」2022年3月31日放送分より)
からの記事と詳細 ( ロシア“傭兵”1000人投入か…停戦協議「兵力縮小」も攻撃止まず - 東日本放送 )
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