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Monday, April 11, 2022

気候変動対策の切り札となるか!?総額87億円を調達した〝マンモス復活〟スタートアップが描く未来|@DIME アットダイム - @DIME

amparipisang.blogspot.com

マンモスの復活というSF映画みたいなことを本気で実現しようとしている会社がColossal(コロッサル)だ。遺伝学者George Church氏と、企業家のBen Lamm氏によって創業された同社は、ゲノム編集技術のCRISPRを使ってマンモスを蘇らせようとしている。昨年9月に約16.5億円を調達、その後3月のシリーズで調達額は約87億円に達したことを発表した

一体、マンモスの復活のどこに魅力を感じ、投資が集まっているのか?

絶滅種の復活が失われた生態系を回復する!?

ハーバード大学の遺伝学者であるチャーチ氏は1980年代にゲノム直接配列決定法を生み出し、ヒトゲノムプロジェクトの立ち上げにも携わった。同社のHPによれば、コロッサルがマンモスを復活させることを追求しているのは、絶滅種を復活させエコシステムを復元することで気候変動による影響と戦うためだという。マンモスなどの草食動物が極北の地で草原を維持し、草を踏みつけ木を倒し、雪を圧縮することで永久凍土を保つとしている。

その辺に関しては3月に開催されたSXSWで登壇した際にも詳しく話しているので、興味がある方は以下の動画もチェックしてみてほしい。


SXSW 2022 | A Case for De-Extinction | Ben Lamm & Eriona Hysolli | Colossal

現在、約100万種の動植物が絶滅の危機に瀕している。コロッサルのマンモスプロジェクトが成功すれば、最近絶滅した生物を復活させるだけでなく、絶滅を防ぐことさえできるようになることが期待されている。だが、絶滅種を復活させることで気候変動を防ぐことにつながるという主張には疑問を感じる部分もある。人間が生み出した気候変動の原因を解決しない限り根本的な問題が解決するわけではないし、そもそも気候変動は生物絶滅の原因の1つでしかないからだ。また、絶滅した種を復活させることで新しい病気が蔓延したり、エコシステムにさまざまな重大な悪影響が生じる可能性もある。この辺りは今後議論が必要な問題であるだろう。

ただ、マンモス復活によるPR的な効果は絶大だ。夢のある大きなアイデアは人を惹き付けるからだ。今回のシードラウンドで調達した資金は、生存可能なマンモスの胚を作り出すのに十分な額だといえるだろう。意外と近いうちに復活したマンモスを自分の目で見ることができるかもしれない。さらにそれだけでなく、注目が集まることで多くの知的財産を生み出すインキュベーターとしての役割も期待できる。CRISPRの応用技術の研究プロジェクトの進展も臨めるはずだ。Colossalの長期計画は、遺伝子工学から計算生物学に至るまで病気や遺伝的異常との戦いに進歩をもたらす可能性がある。

実はマンモス復活プロジェクトには日本の近畿大学も取り組んでいる。だが日本でColossalのような資金が集まるかというと現実的には難しいだろう。夢のあるプロジェクトとはいえ、リターンが未知数のプロジェクトにこれほどの資金が集まる米国のダイナミズムはやはりすごい。ちなみに今回の資金調達にベンチャーキャピタリストであり、「ジュラシックワールド」のプロデューサーであるパリスヒルトンが加わっていることも興味深いというか、なんかわかる気がする。

マンモス復活という夢の先にどんな未来が待っているのか、個人的にはかなり楽しみだ。

https://colossal.com/
Instagram:https://www.instagram.com/itiscolossal/
Twitter:https://twitter.com/ItIsColossal

文/石崎寛明(編集部)

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