在日フィリピン大使館は8日、日本の小売業の業界団体に、同国産バナナの適切な水準への値上げに理解を求める要望を行ったと発表した。生産や物流に関するコストが増えているためという。フィリピン産は、日本のバナナの輸入量の76%を占める。栄養価が高く価格の手頃感が売りのバナナにも、海の向こうから値上げ圧力が強まっている。
「(日本での)フィリピン産バナナの小売価格はこの7年間、横ばいだが、ウクライナ危機を背景にサプライチェーン(供給網)は混乱し、コストが増えている。いまの状況が続くのはフィリピンのバナナ生産者にとっては非現実的でアンフェアだ」。8日に東京都内で記者会見したホセ・カスティリョ・ラウレル5世駐日大使はこう訴えた。
大使館の説明によると、肥料や農機具を動かす燃料の価格、海上運賃などのコストが増大しており、会見で担当者は「生産者は利益が出ていない」と指摘。高品質のバナナを日本市場に安定供給し続けるためには「負担を共有しなければ手遅れになる」としている。
8日に要望を受けた日本小売業協会(東京)は「個別の取引の条件は、当事者間の交渉で決まるものというのが基本だ」としつつ、「要望があったことは、何らかの形で(協会内で)伝えたい」と話している。
農林水産省によると、5月下旬の東京市場(豊洲、大田、豊島、淀橋)のバナナの卸売価格は1キロ203円。前年同時期と比べて16%上昇し、5月中旬と比べても8%上がっている。
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