ビニールハウスの中にはマンゴー、バナナ、パパイアの鉢が並び、ハイビスカスが花を咲かせる。北海道稚内市の産業廃棄物処理業の稚内衛生公社は、汚泥処理の過程で出る廃熱を、ビニールハウスの暖房に使って南国の果樹栽培を試みている。(平野達雄)
「かわいいでしょ。もうじきすると、白い花も咲くと思います」と、ピンクのハイビスカスを見つめて同社常務の根本
熱源には、下水道の汚泥からペレット燃料を製造する工程で出るボイラーの廃熱を利用。60~70度に温めた温水を、ハウスの地中に巡らせた循環パイプ(総延長約1・3キロ・メートル)に流している。
同社は汚泥乾燥燃料化施設「オデッセイ」を2019年に稼働し、20年11月に隣地でハウス建設に着手。21年、トマト、ブドウ、白桃などからハウス栽培を始めた。
さらに、「北海道の露地では育たない果物に挑戦しよう」とマンゴー栽培に目を付けた。十勝川温泉(音更町)の熱を活用したマンゴー「白銀の太陽」を商品化しているノラワークスジャパン(帯広市)に相談し、指南を受けた。
しかし、ハウスの温度管理が予想以上に難しい。夏は何もしないと室温が50度になってしまう。開閉式の遮光カーテンや、室内の状態を見るウェブカメラを取り付けたが、10本のマンゴーの約半分を枯らしてしまった。
現在、マンゴーは買い足し、市民から贈呈を受けたものを含め13株。そのほか、バナナ6株、パパイア2株、レモン2株も育てている。パパイアは花を咲かせ、小さな実をいくつも付けている。
根本さんは「廃棄物には負のイメージがつきまとうが、下水道から循環型社会を考えたいと思っている。日本最北のマンゴーとか、パパイアとか、面白いでしょ」と意欲的だ。
マンゴーはいつ実を付けるのか。挑戦は続く。
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