ビジネスの現場に欠かせない「名刺」が様変わりしています。急速なデジタル化に加え、新型コロナウイルス禍で取引先などとの対面による「名刺交換」の機会は激減。紙の名刺の需要は大きく落ち込んでおり、札幌市内では、創業約70年の老舗名刺印刷会社が今月いっぱいで廃業することを決めました。一方で、スマートフォンを介して自身のプロフィルを伝えるデジタル名刺の普及や、バナナの茎や貝殻を再利用したエコ素材など付加価値をつけた名刺にも注目が集まっています。(報道センター 芝垣なの香)
道内の自動車販売会社や報道機関などの名刺作成を手がける札幌市中央区の古宇田(こうだ)印刷所。1950年代に創業し、父親の後を継いだ2代目の古宇田和成代表(74)が妻の梅子さん(68)らと切り盛りしてきましたが、今月いっぱいで看板を下ろします。
売り上げは年々減少し、昨年はピーク時の1990年に比べ4割以上も減りました。梅子さんが体調を崩したこともあり、古宇田さんは「ちょうど潮時かなと思って。周りの人から『名刺だけでよく食っていけるな』と言われながらも、何とか注文に応えようと頑張ってきたんだけどね」と打ち明けます。
1980年代後半から90年代初頭のバブル期は、1人の客から1回に千枚単位で注文があり、その翌週には同じ客から再び千枚の注文が入るなど売り上げは好調でした。当時の自動車販売店の営業マンは、道央圏の自動車学校に出向き、生徒たちに名刺を配っては新車や中古車の営業をしていたと言います。...
からの記事と詳細 ( バナナの茎やチップ内蔵 紙から様変わりする名刺の世界<デジタル発>:北海道新聞デジタル - 北海道新聞 )
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