刑務所ではどんな食事が出るのだろうか。刑務所栄養士の黒栁桂子さんは「食費は1日520円。お菓子は月に数回しか食べられない。ほか、鋭利なものなど出してはいけないものがある」という――。
※本稿は、黒栁桂子『めざせ! ムショラン三ツ星 刑務所栄養士、今日も受刑者とクサくないメシ作ります』(朝日新聞出版)の一部を再編集したものです。
学校や病院給食でもよく使われる
「そんなバナナ!」
いかにも昭和のオヤジが言いそうなギャグが口から出そうになった。
バナナといえば、日本人の果物消費量ランキングでぶっちぎりトップの果物だ。旬を問わず一年中安価で購入でき、手軽に食べられる。そのため、学校や病院給食でもよく使われる果物だ。
けれどもここ刑務所でバナナが出るとなると、刑務官たちはざわつくらしい。
「手間がかからず衛生的に出せる」のに…
「給食にバナナを出すのは好ましくない」
それを聞いたのは、拝命して間もない頃だったと記憶している。
バナナは皮をむく必要がないため、手間がかからず衛生的に出せるのも栄養士としてはうれしい。テーブルにそのまま置くこともできて、食器もいらないから、ますますありがたい存在だ。
そのありがたいバナナ様に「好ましくない」とはどういうことなのか。
「バナナの皮でね……」
はいはいはい、まさか滑って転ぶとでも? などと思っていたのだが、なんのなんの、さらに斜め上をいく答えが返ってきた。
からの記事と詳細 ( なぜ「刑務所でバナナを出すのはNG」なのか…バナナの皮で作れてしまう「不正な嗜好品」の正体 長い刑務所の歴史の中で脈々と受け継がれている - PRESIDENT Online )
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