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Thursday, April 1, 2021

雄と接触できないはずなのに…女性職員びっくり、突然赤ちゃん産んだテナガザル - 読売新聞

amparipisang.blogspot.com

 長崎県佐世保市の九十九島動植物園「森きらら」で、サルの出産が話題になっている。雄とは接触できないはずの環境で飼育されていたシロテテナガザルが突然、赤ちゃんを産んだからだ。すくすくと成長する姿に来園者から祝福の声が上がる一方、謎は解明されていない。同園はDNA鑑定で父親を特定する。(林尭志)

 出産したのは10歳の「モモ」で、人間でいえば20歳くらいの年齢。2月10日朝、担当の女性職員(25)が獣舎に入ったところ、モモの腹にしがみつく赤ちゃんザルが目に飛び込んできた。「思わず『えっ?』と声が出た。『夢だろうか』と思うくらい驚いた」と竹辺さん。シロテテナガザルは、一般的に妊娠しても外見や体重は大きく変化せず、妊娠の兆候に気づいた職員はいなかった。

 シロテテナガザルは、国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストで絶滅危惧種に指定されている。同園で雄はモモの父親「与太郎」しかおらず、モモは将来的に他の動物園の雄を相手に繁殖させるため、単独で飼育・展示されていた。

 同園のテナガザルは、赤ちゃんを除いて9匹。三つの部屋が並んだ獣舎で飼育されている。

 モモがいる真ん中の部屋の向かって左隣に、フクロテナガザルの雄「カーリー」「カケル」「のぼる」と雌1匹、右隣には父親の「与太郎」と雌2匹がいる。ただ、近親交配や別種との交配を避けるために板や金網で仕切っており、行き来は不可能だった。

 また、モモの部屋にはアジルテナガザルの雄「イトウ」がいるが、板で仕切られた寝室と時間帯によって入れ替え展示していたことから、展示場や寝室で2匹が一緒になることはなかった。

 同園はモモが妊娠した理由を探るため、複数回にわたり会議を開いた。その結果、行き着いたのがわずかな「隙間」だ。部屋の間を仕切る金網の網目は約1センチ。モモの部屋にある寝室の板にも直径9ミリの複数の穴があった。

 岩岡千香子園長は「隙間を通した交尾は考えにくいが、ほかの可能性が思いつかない」と説明。テナガザルの生態に詳しい「日本モンキーセンター」(愛知県)の綿貫宏史朗学芸員も「非常に珍しいケースではあるが、雄の生殖器は人間の小指ほど。交尾も数秒で終わることがあり、あり得る話だ」と指摘する。

 では、相手は誰なのか。綿貫学芸員によると、左隣のフクロテナガザルとは生物学的に子どもが生まれにくく、可能性は低い。右隣の与太郎も、同じ空間に雌が2匹いることから、別の部屋にいるモモに関心を持つことは考えにくいという。となると、残るは「イトウ」か――。

 同園は、乳離れするとみられる約1年後にDNA鑑定を行い、父親を確定させる予定だ。森きららを運営するさせぼパール・シー動植物園事業部の福田久美子次長は「繁殖計画にない妊娠は本来、あってはならないことで反省すべき点があった。ただ、赤ちゃんは元気に育っている。お客様と一緒に、モモの子育てと赤ちゃんの成長を見守っていきたい」と話している。

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